オペラ座の夜

イギリスを代表するバンド・クイーンの、ロック史に名を残す不朽の名曲「Bohemian Rhapsody」。
今日で発売からちょうど40年です。

そしてその「Bohemian Rhapsody」が収録された大名盤『オペラ座の夜』も来月で40周年を迎えます。
クイーンの代表作であるのは勿論、ロック史に残る名盤と名高いこのアルバムを、これを機に全曲解説したいと思います。

私は『JEWELS』というベストアルバムでクイーンを好きになって、それからオリジナルアルバムを集め始めました。
15枚もあるオリジナルアルバム、どれから買うか。
『クイーンⅡ』がクイーンの最高傑作という人が多かったのでどうしようかと思ったんですが、最初は1番の代表作からということで『オペラ座の夜』を買ったのでした。

ワクワクドキドキしながらコンポの前で正座して聴いたのを覚えています。
CDを入れて再生ボタンを押して、音楽が流れ始めました。

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「Death On Two Legs(Dedicated to……)」
作詞・作曲 / フレディ・マーキュリー

『オペラ座の夜』というタイトルから連想していた通りの世界観の曲でアルバムはスタート。
一気にアルバムの世界観に引き込まれます。
当時給料が安すぎるということでマネジメント会社と揉めていた様子を歌にしたというエピソードも残っています。

「うつろな日曜日」
作詞・作曲 / フレディ・マーキュリー

前曲の重く暗い雰囲気から一転、明るく軽快で飛び切りポップなナンバー。
とぼけた感じのフレディのボーカルにも度肝を抜かれました。
1分07秒というかなり短い曲ですが、物凄い濃密でクイーンの凄さを序盤からまざまざと見せつけられる曲です。
終盤のブライアンの絢爛豪華なギター・オーケストレーションも素晴らしく良い。

「I’m In Love With My Car」
作詞・作曲 / ロジャー・テイラー

前曲から間髪入れずに始まるロジャーボーカルのハードなナンバー。
この曲で初めてロジャーのボーカルを聴くことになったのですが、フレディと全く違うハスキーボイスに驚きましたね。こんなボーカリストが普段はコーラスに回っているんだから、クイーンのコーラスは凄いわけだ。
ライブでも大盛り上がりのロジャー初期の傑作。

「You’re My Best Friend」
作詞・作曲 / ジョン・ディーコン

この曲でジョンの才能は開花しました。
すぐに口ずさめるメロディーですね。
ベストにも収録されていたので、このアルバムを聴く前から知っていましたが、やっぱりアルバムの流れで聴くほうがいいですね。
ジョンの作る曲は歌詞が優しくて、ほか3人の強烈な個性の中にあると、何だかとても心地よい存在なのです。

「’39」
作詞・作曲 / ブライアン・メイ

当初から大好きなブライアンボーカルの曲。
ファンにもかなり人気の曲で、ライブでもかなりの頻度で演奏され、フレディが歌うバージョンもあります。
どこまでも続く広い草原をイメージさせるメロディに、優しいブライアンのボーカルとアコースティックギターの音色、ロジャーのコーラスとどれをとっても本当に素晴らしい。
イギリスに行ったらまずこの曲を聴きたいとずっと思っています。

「Sweet Lady」
作詞・作曲 / ブライアン・メイ

ギターリフと激しいドラムが印象的な曲。
クイーンてある意味独特すぎて、ブリティッシュなイメージはそこまで強くないけど、この曲を聴いていると、あぁクイーンてイギリスのバンドなんだなぁ。しっかりブリティッシュロックの流れを汲んでいるんだなぁということがわかります。

「Seaside Randezvous」
作詞・作曲 / フレディ・マーキュリー

2曲目の「うつろな日曜日」と並ぶ、ミュージカル調の楽しさが一杯詰まった名曲です。
曲中盤のフレディとロジャーによる声のオーケストラが1番の聴きどころ。
何度聴いても本当に楽しい気持ちになります!
前曲のロックなナンバー、そしてドラマチックな次の曲の間にあるこの曲の存在意義は非常に大きなものです。

「預言者の唄」
作詞・作曲 / ブライアン・メイ

LPではここからがB面。
『クイーンⅡ』の「父より子へ」に並ぶ、ブライアンの大作です。
最初はフレディの作った曲だと思ったけど、ブライアンが作ったんですね。
ブライアンも懐が深いなぁと聴いていて改めて思います。
実にドラマチックな曲展開、こんな曲はクイーンにしか絶対出来ないでしょう。
この後に続く、あの名曲への大事な橋渡し的な役割も、この曲は担っています。

「Love Of My Life」
作詞・作曲 / フレディ・マーキュリー

多くのファンの涙を誘う、フレディの名曲中の名曲。
前曲からの絶妙な流れも堪りません。
なんて美しくて泣ける曲なんだろう。
ライブでのアコースティックギターバージョンも良いし、このピアノバージョンもどちらも素晴らしい。
終盤に泣きのギターが入っているのも堪らないし、数多くあるクイーンの隠れた名曲の中でも一際輝く名曲です。

「Good Company」
作詞・作曲 / ブライアン・メイ

ブライアンボーカル曲。
このアルバムの中では1番目立たない曲かな。
それもそのはず、あの歴史的名曲が次に控えているんだから・・・。
ほのぼのとしたこの曲の雰囲気がとっても好きです。

「Bohemian Rhapsody」
作詞・作曲 / フレディ・マーキュリー

クイーンの代表曲であり、20世紀のポピュラー音楽を代表する1曲。
今更解説不要なほど知れ渡った曲ですが、「Bohemian Rhapsody」はこのアルバムの流れで聴くのが1番しっくりきます。
まるでパズルのピースがピタッとハマったような、快感を感じさせてくれる曲の配置。本当に計算しつくされています。
何度聴いても本当に素晴らしいクイーンの代表曲です。

「God Save The Queen」

最後をイギリス国歌で締めくくるというには、クイーンならでは。
ブライアンのギターオーケストレーションが壮大に鳴り響き、英国バンドとしての誇りを主張するようなクライマックス。
ロック=反体制という概念すら吹き飛ばす、壮大なクライマックスに胸が熱くなります。

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聴き始めるとあっという間の42分。
聴き終えたときには、まるで1本の映画を観たような充実感に包まれること間違いありません。
ロック、オペラ、クラシック、ジャズ、ボードビル、フォークといったさまざまな音楽的要素を含んだ楽曲達が収録され、それらが終盤の「Bohemian Rhapsody」に向けて収束していくという、芸術的すぎる構成がなされ、聴くものを唯一無二の世界に誘ってくれます。

改めてこうやって聴くと、これぞ名盤中の名盤ですね。
これからも繰り返し聴いていこうと思います。

コメント

  1. ryo_1989 より:

    今度、1975年ハマースミス・オデオン公演のCD+Blu-rayがリリースされますね!自分はAmazonで購入予定です。ライブテイクの「ボヘミアン・ラプソディ」がまた良いんですよね♪こういう発掘音源楽しみにしてるんです。いずれ、オフィシャルで「ムスターファ」のライブテイクが聴ける日を待っています(笑)。

  2. STERNNESS より:

    ryoさん、こんばんは!
    ハマースミス公演のCD、もうすぐですね!去年のレインボーシアターライブに続いてこれは傑作の予感!クイーンが乗りに乗っていた時代ですから良くないわけがない!
    「ボヘミアン・ラプソディ」のライブテイクは80年代のものばかり聴いてきたので、今回70年代のものを聴けるのを楽しみにしています。
    「ムスターファ」ですか!ryoさんもかなり通ですねぇ♪
    あの曲はタンザニアで生まれて、インドで幼少期を過ごし、ロンドンに移り住んだフレディにしか書けない・歌えない曲ですね。

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