16日(木)、シャルル・アズナブールの来日公演、最終日のNHKホールに行って来ました。
私がアズナブールを好きになったのは、今年の来日公演が決まってから。
名前は知っていたものの、曲はコステロがカバーした「She」しか知りませんでした。
フランスに憧れがある私にとって、これは新たな出会いになるかも、と感じて、行くか行かないかは別にしてとりあえずアルバムを買って聴いてみることに。
そしたら見事に好きになりました。
こんな素晴らしいアーティストを何で今まで聴かなかったのか不思議でなりません。
ベストを一通り聴き終える頃には、来日公演に行く決心がついて、即チケットを確保。
シャルル・アズナブール、今年で92歳だそうです。
92歳で現役なんて信じられませんよね。
ポール・マッカートニーの73歳でも十分凄いなぁと思うけど、アズナブールはさらに20歳ほど上になるわけですから、それで現役で、12時間もかかる日本まで来てくれる元気があるというのも驚くばかりです。
アルバム3枚買って聴き込み、当日を迎えました。
演奏曲は半分以上知らない曲でした。
でも結論から言って、本当に素晴らしかった!
本当に心から凄いステージだと思いました。
詳しいセットリストはわからないので省略しますが、代表曲は一通りやってくれたと思います。
まず登場の仕方から私がこれまで見てきたアーティストとは全然違っていました。
張り詰めた静寂の空気の中、スポットライトを浴びて颯爽とアズナブールが登場。
すると場内は割れんばかりの拍手。
これは圧巻の光景でした。
今のロック・ポップス歌手のライブは、お洒落なBGMが流れる中の登場だったり、もっと凄い演出があったりするものですよね。
そういったものが全く排除されていて、それでも物凄い観客の熱気。
完全に音楽そのもので勝負している、というのが伝わって来て、胸の高まりが止まりませんでした。
「帰り来ぬ青春」、「ラ・ボエーム」、「二つのギター」、「昔気質の恋」・・・とここ数か月聴き込んできた名曲たちを素晴らしき歌声で聴かせてくれました。
圧巻の歌声でしたよ!92歳に到底思えません。
それからバンドの演奏も、シンプルながらとてもレベルが高くて素敵でした。
ラストの「世界の果てに」で観客からたくさんの花束を受け取り、ステージを去って行くアズナブールには本当に胸を打たれました。
名残惜しそうに客席を見つめていて、最後の日本公演を胸に刻み込んでいたのかなぁと思い涙。
本当に素晴らしいコンサートでした。
戦前から生き抜いてきた、シャルル・アズナブールという歌手の生き様を、フランス語の歌の力を、まざまざと見せつけられました。
このタイミングでアズナブールの音楽に出会えて、本当に良かった。
このステージを生で観れたのは一生に宝。
私達若者も、後世に語り継いでいかないといけないなぁと感じました。
コンサート終了後、隣の席に座っていた80代くらいのおばあさんが、「私もまだまだ頑張らないと!」と笑顔で話していたのが忘れられません。
これぞ、本当の音楽の力だと思いました。
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